『　デ　ザ　ー　ト　・　ポ　ッ　キ　ー　』

　幻の国、ツァーラ・ソアレルイ。そこは太陽の国と呼ばれる地。
　太陽の国、とは言っても、日差しが強い訳ではないらしい。単に東の最果てにあるというだけだ。

　その国境線をぐるりと巡る砂漠に、そいつらはいた。
「ジイさん、もう見えてきてもいいんじゃ？」
　砂竜に乗った少年が、二頭立て竜車の男に話しかけた。
「いーや、五日じゃまだまだ」
　ジイ、と呼ばれた男は、汗を拭きながらそう答える。すると少年はあからさまに不満げな顔になった。男はそんな少年をたしなめる。
「仮にも幻と言われた国が、そう簡単に行けて堪るか」
「でも隣だし」
「そりゃあ、この砂漠がなけりゃ、唯のお隣さんだがな」
　男の言葉にむぅ、と不機嫌に唸り、少年は手綱を握りなおした。

　ツァーラ・ソアレルイの実在が知られたのは、ほんの四年前。このプレッツェル砂漠が行く手を阻む上に、ソアレルイ自体が国を閉ざしていたからだ。あるないかも判らぬ謎の国だったが、四年前に人の住む中心部へのルートが開拓され、二年前にはめでたく隣国ビスキュイとの国交が成立した。
　が、他国からわたるのは未だに困難を極めるので、ソアレルイの品物はあまり流通していない。そのため細工物などは、値段もちょっとしたお宝である。
「まぁ、死ななけりゃ、一攫千金だからな」
「ポッキーも楽じゃないね」
「はっはっは。楽々よりワクワクを楽しまなきゃ、ポッキーは務まらんさ」
　少年の言葉に、ジイは大きな声で笑う。
　貴重なソアレルイの品を求めて砂漠を渡るのが、彼ら「デザート・ポッキー」と呼ばれる者達だ。元は砂漠を渡り歩く民のことだが、今は彼らの存在自体が、唯の伝説であったらしいと判っていた。
「ま、急がず焦らず。気楽にいこうや」
　何度か砂漠を渡っているジイは、今回初めて同伴させた少年が、何と言ってついてきたかを思い出して、含み笑いをした。


　照りつける太陽のもとをしばらく進んでいくと、周りを彩る岩よりも一際大きな岩が見えてきた。
「あそこまで行ったら、少し休むか」
「やったあ！」
「でもこの辺りにゃ……っておい、コラ！」
　休めると聞いて、思わず砂竜を急がせた少年を止めようとしたが、当の本人が聞いていない。ジイも急いで鞭をくれたが、二頭立てとはいえ車のついた砂竜だ。子供しか荷物のない竜に、追いつく筈がない。
「うあぁぁー！！」
「ちッ、言わんこっちゃねぇ！」
　少年の叫び声に、ジイは車に繋いだままの竜に飛び乗った。くびきを外すと、車ともう一頭を置き去りに、小さな砂丘を越える。
　砂色をした巨大な化け物から、必死で逃げている少年が見えた。
「砂オロチか……！　コラ、上手く逸れろよ！」
　叫びながら腰の銃を抜き、少年に向かって引き金を引く。走るコラの姿が、陽炎の向こうにブレて見えた。
　銃口から碧い光が迸り、狙い違わずコラ少年の頭を貫く。コラは砂竜ごと倒れ、光は勢いを殺さぬまま怪物の胸部を抉った。怪物は一瞬体を震わせたかと思うと、文字通り砂と化して崩れる。

　その最期を見届けると、男は振り返らずに声を出した。
「コラ」
「……」
「ちょっと来い」
「……はい」
　どんな魔法を使ったものか、撃ち抜かれたはずの少年が後ろからおそるおそる出てくる。
　次の瞬間ばちん！　と景気のいい音がして、まだ発達しきっていない軽い体が宙を舞った。更にジイは竜から降りて、砂に落ちたコラの頬を摘む。
「い゛ッ――――！！」
　柔らかな頬をひとしきりつねり倒すと、ジイは溜め息をついて立ち上がった。無表情に少年を見下ろし、静かに口を開く。
「何を言いたいかは分かるな？」
　少年は頬をさすりながら、涙目で頷く。
「ここじゃ何が起こるか分からんと、何度も言ったな。……俺もそんな若くねぇんだから、あんまり無茶させんな」
　それだけ言うと、男は竜の首を叩いて方向を変え、ひらりと飛び乗ってその腹を蹴る。
　コラものろのろと立ち上がり、心配そうに顔を寄せる砂竜の鼻面を撫でると、その背に乗った。手綱を取り、男の後ろ姿を追う。
　それから大岩に着くまで、二人の間に会話はなかった。


　砂オロチに襲われてからというもの、少年の口数がめっきり減った。ジイが何かを言えば反応はするものの、あまり芳しくはない。
　そうなってから三日目の夜。背を向けて食事をする姿に、遂に耐え切れなくなったジイが話しかけた。
「なぁ、コラ君よ。いつ迄拗ねるつもりだ？」
「拗ねてない」
「だったら何で、いきなり避けてみたり、黙ってみたりするんだ」
「……ジイさんなんか嫌いだ」
　少年は食事の手を止めて、ぼそりと呟く。
「おいおい、勝手について来て、そりゃねぇだろ。俺がガキ嫌いだっつの、承知で来たんだろ？」
「ガキ扱いすんな！」
「そういう所がガキなんだよ。たった十四で何ほざいてんだ、バーカ」
　茶化すような調子で言うが、その目は決して笑ってはいない。
「コラ、お前さ。何つって俺についてきた？」
「……何で」
「恥ずかしいのか」
「違う」
「じゃあ、聴かせろよ」
　ジイはにやにやしながら、コラの隣にどっかりと胡坐をかいた。
　癪に障ったが、言わないまま茶化される方が嫌で、コラは戸惑いながらも口を開く。
「自分、の足で……ソアレルイに行きたい」
「もっとちゃんと」
「……ソアレルイ、に、行って帰って……親父とか……俺をバカにした奴等を、見返したい」
「だよな」
　少年の頭に、ぽん、と手を置き、男は言葉を続ける。
「全くもって青臭ぇ理由だ」
「……！」
　少年は半ば反射的に、乗せられた手をはねのける。除けられたジイは、大声で笑った。
「でも、嫌いじゃねぇな。男ってのは、幻想でなく現実に夢を見る生き物だ。突き進まなきゃ死んじまうのさ」
「さっき、ガキは嫌いだって」
「自分じゃ何もしねぇで、拗ねてるようなのはな。欲しいものにガキも大人もねぇ。例えば俺が砂漠を渡る理由はひとつ。そこに冒険があるからだ！」

　立ち上がって自信満々に言ってのけた男を、コラはきょとんとして見つめた。少し間を置いてから、思わず吹き出す。そしてそのまま、声をあげて笑い出した。
「あはは……冒険、だって……ッはは！」
「おいおい、そんなに笑うなよ」
「だって……おかし……ジイさんが……あははは」
「いや、いたって真面目だぜ。いくら金があってもよ、ドキドキワクワクがなけりゃ意味がねぇ」
　恥ずかしげもなく言うと、少年は更に笑った。
　その笑いが収まるのをまって、ジイは再び口を開く。
「さては俺が一発で仕留めたのが、気に喰わなかったんだな？」
「うん……」
「当たり前だ。お前より年喰ってて、場数も踏んでんだから。でもまぁ、今の力を思い知っておくのも、悪くはねぇさ」
「……」
　黙ってしまった少年の、次の言葉を補うように訪ねる。
「悔しいか？」
　促すような問いに、コラは黙ったまま頷いた。　
「ほんとは、ジイさんじゃなく……自分、が……嫌だったんだ」
「そうか」
「また、逃げて。ただ助けられて、生き延びて。強がってるだけで……おれはすごく、弱いんだって」
「ああ、お前は弱いよ。でもな」
　ジイは空を見上げ、手を伸ばして目を細めた。開いた指の間から、煙る砂埃にちらちらと輝く星が見える。
「弱さを認められるようになれば、それはひとつ、強くなった証だ。ポッキーの砂漠渡りは、焦らず急がずが基本だが、人間だって同じなんだぞ。なあに、急がなくたって、いつかは大人になっちまう。弱いなら弱いなりに何かすればいいし、ガキならガキのうちにしか見れない物を、たくさん見ておくといい」
「……うん」
　少年の頬を伝う雫に、男は気付かないふりをする。そのかわり小さな背中を、大きな手で優しく叩いて微笑んだ。


　それからまた五日。まだなんとなくコラには元気がなかったが、会話は普通に交わすようになった。ジイの方も話し相手が戻り、大分気が楽になる。
「ジイさん、あれ何？」
「ん」
　コラは陽炎に混じって空中で逆さまに見え隠れする、屋根のようなものを指差した。それを目にしたジイが、嬉しそうに言う。
「ソアレルイの町のひとつだな。あと一日かそこらで、あの町に着けるぞ」
「ホント？！」
「ああ、もう少しだ。……だけど、ここからが問題なんだよな」
　ジイは腕組みをして唸り声をあげる。
「問題？」
「砂オロチよりよっぽど厄介だ。野盗紛いの自称ポッキーが出る」
「……あんなの？」
「そう、あんなの……」
　コラが指差した先から、砂竜に乗った一団が、土埃をあげて迫ってくる。
「ってマジかよ！　ノリツッコミしてる場合じゃねぇ！」
　ジイは素早く手綱を操って方向を変え、コラにもついてくるように言って、銃を抜いた。
「コラ、剣を抜いておけ！　奴等は全て殺して奪い取る……その前に人の目の届く所へ行くぞ！」
「どういう事？！」
「奴等は交易証がねぇんだ！　人の住む処まで行けば襲って来ねぇ！」
　叫ぶ間に、赤い光が背後から頬を掠める。じゅっ、と音がして皮膚が焼け焦げた。
「赤熱弾っ！」
「コラ、『ファタ』を使えるな？　あいつらは俺が引きつける。だが、無理はするな」
「分かった」
　少年が頷き、ジイは振り返りざま引き金を引く。碧い光が野盗共のすぐ上で破裂した。閃光が降り注ぎ、彼らの目を潰す。
　同時にコラの姿が大きく揺らぐ。すぐに揺らぎは収まるが、その顔から表情が消えた。ジイは横目で見てにやりと笑い、二発目を撃つ。目が眩んだ野盗が緑光を放ってくるが、狙いの定まらない弾は竜車ごと躱された。ジイの二発目の方は、一人を撃ち抜く。
「ぐぉっ」
「ぎゃあッ」
　突然、閃光を浴びた一団から苦悶の声が上がる。血を噴き出して倒れる仲間に、驚いた男たちが声をあげて周りを見渡すが、何も見えない。知らぬ間に後ろから刃が襲ってくる。
「蜃気楼(ファタ)、か。……全く、本物の砂漠の民ってのは怖ぇ怖ぇ」
　無表情で並走する少年をちらりと見やってそう呟いた。野盗が倒れるのにあわせて、再び引き金を引く。


　その時。
　赤光が男のわき腹を抉った。


　一瞬何が起こったのか分からず、ジイは自分の腹を見、その焦げた布地を見てから、後ろを振り向いた。勝ち誇った笑みの男が、銃身まで赤い銃を向けている。
「ジイさんッ？！」
「バカ！　ファタを解くな、コラ！」
　並走していた少年の姿が風に溶けるように消えた。だがジイの怒鳴り声に慌てて黙り込み、気付いた野盗共に捕まるのだけは逃れる。ジイは痛みに傷を押さえながらも銃口を向けている男を見据え、不敵に笑って片腕で銃を構えてみせる。
　次の瞬間、狙い済まされた赤光が竜車を貫いた。

　だが、一瞬幻の様に揺れた竜車が、跡形もなく掻き消えた。赤い牙はそのまま、追討ちをかけようとすがっていた彼の仲間たちを飲み込む。
「?!」
　思いがけない相討ちに驚く間もなく目の前の陽炎が大きく歪み、現れた少年がすれ違いざまにその体を傷つけた。勢いよく噴き出した血が、彼の銃身と同じ色に半身を染める。それをどこからかまっすぐに伸びてきたた碧光が撃ち抜いた。
　まるで時間を遅らせたように、ゆっくりと崩れていく野盗。どさり、と音を立ててその体が砂に置き去られると、生き残っていた野盗共は一斉に散り散りとなった。

　後には御者席でうつ伏せのジイと、ようやく砂竜にしがみついているようなコラが残される。
「……はは、ひでぇ格好だ、なぁ――ぐッ……」
「ジイさん！」
「大、丈夫……後ろから、布と……薬……」
　竜から降りて駆け寄ろうとしたコラを制して、竜車の荷台から薬を持ってくるよう伝える。コラは慌てて荷台を探り、シーツと薬を持ってきた。その間にジイは服を脱ぎ、上半身をあらわにする。
　コラは御者台の上に毛布をテントのように張って、日光を遮り影を作った。受けた銃弾の効果が穿った穴を焼いていたので、不幸中の幸いか、出血はそれほど多くはなかった。だが、火傷が酷く、一部などは完全に炭化してしまっている。
「……ざまあねぇ、な……くぅっ……。コラ、一人で……町に。……奴等、いつまた仲間を……連れて戻っ、てくるか」
「こんな状態でおいていけるわけないだろ！」
「我侭を、言うな」
「我侭じゃない！　砂漠の民は『仲間を守れる力を持つときは、見捨ててはならない』！」
「守る……？　はッ、お前にそ、んな力……が――」
「怪我人は黙れよッ！」
　思いがけず強い命令口調に、目を丸くする。と同時に、男はなぜか笑みを浮かべた。苦し紛れに浮かべた表情に、治療に必死のコラは気が付かなかったが。
「……じゃあ、あとは……頼、む……ぞ……」
「ジイさんッ！」
　もう、大丈夫だな。何かを確信した彼は、静かに瞼を閉じた。
　いつの間にか傾いた太陽が、朱の光を混じらせている。風に乗った白い砂がさらさらと、竜車のそばを通り過ぎた。


――――――――――――――――――――――――――――――――

　それからいくらかの年月が過ぎた。
　ツァーラ・ソアレルイのとある市場で、一人の若者が品定めをしていた。
　砂漠を越える手段は未だに有効な手段は開発されておらず、砂竜に乗ったデザート・ポッキーが、ソアレルイの品を他国へ運んでいる。この若者も、恐らくはその一人だろう。よく日に焼けた肌と鷲のような瞳が、幾度も砂漠を越えた荒くれ達とよく似ている。ただ違うのは、ポッキーたちの使う特殊な銃と共に、片刃の長剣が腰に下げられている事だ。

　彼はいくつかの店を回って何かを交渉し、最後に砂漠越えの客のために武器を扱う店を訪れた。掲げられる看板には、ソアレルイの言葉ではなく、ビスキュイやその周辺国に浸透する言葉が使われている。
「こんちわー」
「おう、いらっしゃい……って、お前かよ」
「こんな低い声のお姉さんなんて、そういないと思うよ」
「あっはっは、そりゃそうだ！　あー、若い美人のお姉さんポッキーとか来ないかねぇ」
「ぶっちゃけ、おれは野郎のポッキーしか見たことないけど」
　口では残念がりながら、店の主人はひどく嬉しそうに笑った。久しぶりに再会した友人とでも喋るような口調で、若者に心を許しているのが分かる。
「相変わらず元気そうだな。今回はどのくらいいるんだ、コラ」
「三日くらいじゃないかな。とりあえず依頼品の契約は済んだし、後は持って帰るだけ。ちょっと休んだらすぐ帰るよ」
「おう、強行だな。俺じゃあ、とてもじゃないが無理だ」
「何ジジイみたいな事言ってんだよ。あんな大怪我しても懲りずにポッキーやってたくせに」
「いやもう実際ジジイだし、がたがただぜ？」
　数年前にポッキーを辞めて少しやつれたジイは、今や青年となったコラの顔を見上げて言った。コラの瞳からもあの鷲のような鋭い光は消え、安心しきった顔である。
「っと、そうだ。今回分の弾……ごめん、ちょっと高くなる」
「あぁ？　マジかよ……Ｍ−5006型とか、売れ行き悪くてキツイんだよ」
「5006？　カスタム屋の友達んトコで弄ったけど、癖が強くて扱いづらいんだよ。Ｆａ愛用者くらいじゃないかな、しっくり来るの」
「っかぁー！　やられたぜ、あの狸親父め。あー……そうか、そうだな。半分くらいツケられねぇ？」
「まったく、仕方ないなー。じゃあ、いつもの値段でいいよ。今回は盗賊退治で、臨時収入も入ったし」
「さすが愛弟子！　話がわかる」
「誰が弟子だ」
　いつもどおりふざけ合いながら、来る度に頼んである銃弾の、仕入れの手続きを始める。

　あの時、怪我を負ったジイに替わって竜車を御し、コラはソアレルイにたどり着いた。それもファタで姿を隠しながら、ほぼ一日かかる距離を休まずにだ。子供の体で二頭の竜を同時に御することすら難しいのに、ファタを使えば更に精神を消耗する。
　それでも、ジイを救いたい一心だったのだろう。蜃気楼で見えた町へ着くと、医者を探すうちに町中で倒れてしまった。二人とも誰かに助けられたらしいが、コラにはその日から数日の記憶がない。

　年月がたち、コラは生業として砂漠を渡る者になった。ジイは引退後、ソアレルイに留まった。二人はあのとき以来、共に旅をした事はない。それでも、今こうして共に笑える絆がある。

「そうだ。なあ、ジイ。代わりにあれ、もらっていっていい？」
　コラはカウンターの奥に大事そうに置いてあった、旧式の銃を示した。
「あぁ？　んな三十年近く前の旧式、どうすんだ」
「フレームをカスタマイズしたいんだ。フォルムとかデザインは、一番好きだから」
「……何十年来の相棒だが……まあ、今のお前なら、いいか」
　光の加減によって青みの混じるその銃身を、いとおしそうに持ち上げて、ジイはその重みを手に確かめた。やはり一度で手に馴染む。引き金に指をかけると、いきなりコラの眉間に突きつけた。だが青年は、眉ひとつ動かさずに笑っている。
「ちッ、動じねぇか……あのいたいけな少年はどこ行った」
「さすがにこれだけ修羅場くぐると、いたいけな少年のままじゃな。でも、多分まだここにいるんじゃないかな？」
「ははは。ま、お前は剣が主だから、あんま傷つけやしないと思うが……大事にしろよ？」

　ぽん、とまるで重さのないもののように、その手の上に銃身を横たえる。だが青年にとって、今のように軽量化などされていない金属の塊は、ずしりと重かった。
「……うん。馴染むくらい、使いこなせるようになるよ」
　厳かにそう言って、ストックから取り出した弾で空の弾倉を再び満たした。それはあの時と同じ、碧の光を放つ弾丸。ジイはやはり嬉しそうに、その姿を眺めていた。

　ジイの銃を継いだコラがその後どうなったのか……その物語の続きは、各々の想像に任せよう。
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